本研究では、発達障害(ADHD)児の母親を対象としたPTの効果について、母親の養育ストレス軽減、子との親子関係の改善や社会的情報処理の機能低下からの改善に至るまでの脳神経科学的基盤の変化があるか、脳MR画像や神経心理学的評価を用いて検討した。PT受講/待機期間の前後の2時点で親子に対して質問紙評価、子どもに対する実行機能を測定するGo/No-go実験課題による神経心理学的評価、及び母親に対するRMET課題時脳機能計測を行った。一連の結果より、PTによる母親へのPT介入が母親の子に対する理解と養育環境の向上を導き、それにより子の社会的認知の上昇と機能的問題の軽減に結びついたと考えられる。
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