研究課題/領域番号 |
19K21783
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
池田 結佳 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (00439598)
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研究分担者 |
百瀬 桂子 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (60247210)
松岡 久美子 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (90439597)
広田 雅和 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (40835435)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 発達性読み書き障害 / 眼球運動 / 視線計測 / 視覚認知機能 |
研究実績の概要 |
2023年度は,物体検出AIに学習させた視標のバウンディングボックスサイズから距離情報を推定する AI を開発した.VOG で計測したデータ,物体検出 AI で取得した視標の位置データ (水平および垂直),距離情報推定 AI で取得した視標の奥行きデータの三情報を出力するシステムの開発に成功した.距離情報の推定精度は視標の奥行き位置を 50 cm から 30 cm まで移動させたとき,95% を超えていた.一方で,視標をリニアに動かしていない 5.0 m から 50 cm の間は,バウンディングボックスのサイズを線形補完して内挿したため,予測精度は90%を切っていた.患児を対象とする視線計測の実用化を目指すのであれば,5.0 m から 30 cm の距離情報は 95% 以上の精度を担保したいため,今後は間欠性外斜視患者のデータを取得しつつ,AI の精度向上を目指す. 本研究に付随する研究成果として,次世代ディスプレイであるライトフィールドディスプレイを視聴したときの眼球運動計測を行い,従来のディスプレイを使用したときと眼疲労の程度がどの程度異なるかを検証した.その結果,ライトフィールドディスプレイは,従来のディスプレイと同程度の眼疲労であり,立体ディスプレイよりも眼疲労の程度が有意に少ないことが明らかになった. また,システム構築と並行して,帝京大学病院小児科LD外来受診者の中から眼科紹介となった児に対し,眼球運動検査 NSUCO Oculomotor test を実施し,視診によるデータ約80名分を集積した.言語検査,心理検査などに加えて視覚認知機能検査を行うことで読み書き困難に繋がる要因を検索し,支援に活かしてきた.今後視線計測の実用化でさらに多角的な評価を行うことを目指す.
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