快・不快は我々の意思決定の基本となる情動であり,これまでその神経メカニズムに関する研究が精力的に行われてきた。一方で,苦痛からの解放,すなわち安心感は,我々の行動を左右する重要な情動であり,ストレスと関連した行動的不適応とも密接に関連しているにも関わらず,その脳内メカニズムの研究はほとんど進んでいない。本研究は,①動物モデルを用いて「安心感」を測定する行動課題を確立し,②動物が安心を感じていると推察されるタイミングにおいて,脳内報酬系として知られる神経伝達物質ドーパミンの放出量が上昇している可能性を明らかにした。
|