高出力・大容量2次電池やリラクサー強誘電体の機能と直結する3d遷移金属元素の酸化状態・スピン状態の実空間分布の計測手法開拓を目指し、軟X線発光分光法(SXES)と電子顕微鏡法を組み合わせた測定装置の製作と基礎的応用を行った。 (1)汎用装置の2倍の解像度を目指した装置の設計・試作を行い、2.2倍の解像度を有するSXES装置の製作に成功した。 (2)Mn酸化物、Fe酸化物、Cu酸化物の系統的なL発光測定とその比較から、価数変化に伴うLαピーク位置シフトが検出可能であり、かつ、磁気モーメントの大きなMnOやFe酸化物のLl発光ピークにはスピン軌道相互作用に起因する肩状構造の検出を可能とした。
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