本研究は、核スピンを持たない12C核において核スピン緩和測定を可能とする極めて画期的な手法(負ミュオンスピンインジェクション法)を実現するものである。 シンプルな構造の有機化合物であるエチレンや高分子材料であるポリエチレンに対して本手法を適用し、観測された局所磁場が、一つの水素原子核のスピンと負ミュオンのスピンの2スピン間の双極子相互作用で説明できる事を明らかにした。またこの際、負ミュオンが束縛された炭素が疑似的なホウ素としてふるまっているモデルで実験結果が説明できる事を明らかにした。 以上から、本研究課題により、核スピンを持たない12C核における核スピン緩和測定が実現された。
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