非晶質氷をまとった非晶質ケイ酸塩の超微粒子に紫外線を照射して,含水鉱物が生成されるかどうかを調べる実験を,冷却ホルダーのついた透過型電子顕微鏡を用いて10Kおよび82Kで行った.非晶質ケイ酸塩は,Mg2SiO4,MgSiO3,GEM組成の超微粒子を熱プラズマ法で作製した.Mg2SiO4微粒子を用いた82Kの実験のみで結晶の生成が確認され,それ以外の温度・物質では何の変化も観察されなかった.高分解能透過型電子顕微鏡を用いて生成物を詳細に観察したところ,生成物はカンラン石であることが分かった.カンラン石の生成には,氷に紫外線が照射されてできたOHラジカルが関与していることが示唆された.
|