本研究では,誘導体化における同位体比の改変の仕組みの把握を目的に,糖やアミノ酸の代表的な誘導体化である「アシル化」に注目し,基質と誘導体化の濃度バランスと同位体比の関係を実験的に明らかにした。 また,同位体分別の軽減の改変を軽減,および,希釈する手法の導入を目的に,(1) 界面活性剤を用いた同位体比改変の軽減,(2) 官能基の交換による同位体比改変の希釈に挑戦し,実際に,ナノフルオロ吉草酸を添加して行ったアミノ酸のアシル化で,同位体比の改変が軽減されること,および,アミノ酸のアシル基と酢酸イソプロピルのアセチル基の交換反応により,同位体比の改変が希釈されることを明らかにした。
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