宇宙プラズマ中の高エネルギー粒子はレビ過程に基づく記述が妥当であるが、モデルの取り扱いの難しさのため、古典拡散の枠組みを適用して議論することが殆どであった。本研究は、レビ過程やフラクショナル発展方程式などの新概念をベースとして宇宙プラズマ物理の枠組みを再考する新しい試みであり学術的に意義深い。また、結晶中の電子運動等のミクロ現象、宇宙空間での小天体のマクロ運動、さらには数理ファイナンス分野など、多くの分野でレビ過程の概念を用いた議論がなされている。微分方程式の数値解析法についての情報交換など、分野を超えた学術的貢献が期待される。
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