学術的な意義として,線状構造および布状構造という,1次元・2次元の基本構造自体の創案と,実機具現化の手法を明確にすることで,三次元構造を含めた複雑な構造を形作る際の基礎となる機構学的知見を体系化することに寄与したことが大きい.また,本機構は人や環境などの軟弱・脆弱な接触対象であっても柔剛切替え機能により,接触対象に力学的ダメージを与えにくいという特徴を有する.したがって,社会的な意義として,本構造を応用させたロボットハンドや移動体の足回りは,従来にない柔らかい接触性を有するものであり,人間やその住環境を含めた環境はもちろん,極限環境でのサンプル回収作業にも寄与できる重要なものである.
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