腹腔鏡手術などに使われる手術ロボット屈曲鉗子に力センシング機能を付与することが安全で高度な手術の実施のために望まれている.しかし,小型化が難しいこと,著しく過酷な体内環境での使用に耐えられる必要があり,さらに,洗浄滅菌可能であること,頑健であること,低コストであることが要求されるため極めて難しく,依然として未完成である.これまでのほとんどの方法では,力を歪に変換する起歪体を用いているが,壊れやすく高価になることが大きな欠点である.本研究の学術的意義は,起歪体を用いないユニークな方法を提案したことであり,社会的意義は,手術ロボット屈曲鉗子の力センシングという難問の一解決法を示したことである.
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