本研究では、原子層厚(~1 nm)のタングステン酸化物ナノシートを担体に固定化し、ナノシートの特異な電子状態に基づく触媒反応の実証を目指した。モデルとして、SiO2単結晶基板やn型Si単結晶基板のようなフラットな表面を有する基板を担体として、その上にタングステン酸化物ナノシート触媒を製膜した材料の電子状態評価を行った。X線光電子分光測定およびケルビンプローブフォース顕微鏡観察などによって、ナノシートの電子状態が担体との接合によって変化する様子を定量的に解明した。このタングステン酸ナノシートをSiO2粒子担体に固定化した触媒の、オレフィンメタセシス反応に対する触媒活性を実証することに成功した。
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