研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、電子線リソグラフィー等の微細加工技術を用いて、固体ナノポアとマルチポアを3次元的に集積させた積層集積ナノポアを作製した。そしてこれを用いて、1個の大腸菌の細胞膜を、マルチポア部に生じさせた強電場により破壊し、マルチポアよりも小さな細胞内物質だけを、ナノポア部に通すことに成功した。さらに、得られたイオン電流信号波形を解析したところ、大腸菌内のリボソームやDNAが検出されていたことを確認した。
マイクロ・ナノ科学
本研究で創成した積層集積ナノポアによる1細胞内物質分析法は、細孔サイズ如何でDNAから細胞小器官まであらゆる細胞内粒子・分子の解析が可能な原理を有する。今後、当該技術が医療分野などで広く応用されることで、ハイスループット且つ超高感度な細胞診が実現でき、早期がん診断、ひいては遺伝子レベルの治療法の可能性を拓くことができると期待される。