研究期間全体を通して、ピコ秒およびナノメートルの精度を有する超高速時間分解電子顕微鏡法を確立し、光渦を生成する光学系と組み合わせた。光渦による局所加熱および光の軌道角運動量を用いた新規励起現象の探索に関する実験を現在も継続している。一方で、薄片試料上のナノ構造体へのレーザー光の均一照射により、音響波の伝搬やナノ磁気構造体の超高速運動を可視化することに成功した。さらに、数値シミュレーションにより薄片及びバルク結晶中を伝搬する音響波の発展過程を明らかにした。これらの成果から、局所加熱が引き起こす薄片中の超高速現象の理解が大きく進展した。
|