グリシド酸エステルと酸無水物の硬化系を基盤とする、環境中でゆるやかに分解され、通常の条件では安定な熱硬化樹脂を開発できた。モデル反応から、本硬化はグリシド酸エステルと酸無水物の交互的な共重合で進行しており、主鎖がポリエステルであることがわかった。この硬化物は、金属および難接着性のポリマーに対して既製品に劣らない優れた接着力を持つことがわかった。また、中性の水中では分解しないが、堆肥中では完全に分解された。この現象は汎用的に用いられているグリシジルエーテルの硬化物では起きず、本系が環境中での分解性と優れた力学特性を併せ持つ新規材料であることを明らかとした。
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