研究課題
挑戦的研究(萌芽)
近年1GPaを超える圧力を使った無機化合物合成が一般的になりつつあるが、どのような化合物がどのような圧力で合成できるのかということに関しては明確な指針がないのが現状であった。本研究はイオンの圧縮率(すなわち硬さ・柔らかさ)というパラメータに着目して、高圧下での物質の挙動や、高圧下での安定構造を明らかにした。具体的には、酸化物イオンに比べてニクタイドやヒドリドが柔らかいことに着目して、複数のアニオンを含む複合アニオン化合物における、高圧下の相転移や合成手法について明らかにした。
固体化学
本研究ではヒドリドの柔らかさに着目した酸水素化物の秩序/無秩序構造の安定化メカニズム関して、理論と合成の両面からアプローチし、その設計指針を明らかにした。また酸化物イオンに比べてニクタイドやヒドリドが柔らかいことに着目して、高圧下での構造相転移を見出した。このような研究は、近年一般的な合成法になりつつある、GPaオーダーの合成法に関する物質の設計指針や、高圧下での物性制御の指針となるものであり、将来的な新物質探索や新物性探索につながる結果である。