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2023 年度 研究成果報告書

カルシウムシグナリングはなぜ多様性を発揮できるのか:情報変換分子の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 19K22276
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分38:農芸化学およびその関連分野
研究機関中部大学

研究代表者

前島 正義  中部大学, その他の部局, 副学長 (80181577)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード情報変換 / 細胞膜 / カルシウムシグナリング / 脂質シグナリング
研究成果の概要

Ca濃度変化を多様な生理応答に変換する仲介役として細胞膜結合型Ca結合タンパク質PCaPを見出した。PCaPにはホスファチジルイノシトールリン酸が結合しているが、Ca増加によりCaM/Caが形成されるとこの脂質を離す。PCaPがCaシグナルを脂質シグナルに変換している可能性が高い。PCaPのN末端側25残基をシロイヌナズナに導入すると、同時に複数のシュートを生成した。コケ植物にもPCaP類縁分子が存在する。同様にコケに過剰発現させると、細胞分裂部位数が増加した。植物種を超えてPCaPが細胞の分裂・分化での情報変換に大きな役割を発揮しているものと推定した。

自由記述の分野

生化学、植物分子細胞生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

Ca2+はメッセンジャーイオンとして広く知られているが、細胞内Ca2+濃度の変化がなぜ多様な生理現象を起こすのかの説明は十分ではない。Ca2+濃度上昇→Ca/カルモジュリン複合体形成→標的タンパク質という経路で説明される。本研究により、Ca2+濃度上昇→Ca/カルモジュリン複合体形成→ホスファチジルイノシトールリン酸情報→標的分子という流れを仲介する分子PCaPを見出した。PCaPはCaシグナリングを脂質シグナルに変換し、細胞応答の多様性を支えると考えられる。植物ウイルス感染応答、植物免疫応答、根毛形成、水分屈性、気孔閉口などの現象に関与することも明らかにし、新しい展開の契機を与えた。

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公開日: 2025-01-30  

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