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2020 年度 実施状況報告書

腸内細菌叢のin vivo再構築による宿主行動および生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K22295
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

宮崎 亮  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80712489)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード腸内細菌叢 / ミツバチ
研究実績の概要

腸内細菌は宿主の様々な生理機能や疾病に関与し、学術的にも社会的にも大きく注目されている 。しかしながら、哺乳類の腸内細菌叢は数百種以上もの多様な細菌によって構成されており、そのほとんどは実験室での培養技術が確立していないため、個々の腸内細菌の役割、すなわち各腸内細菌と宿主機能の関連性やそのメカニズムを解析する実験モデルとしては不十分である。本研究では、稀有な生物学的特徴を有するミツバチを実験材料とすることで、宿主に共生する腸内細菌叢のin vivo再構築系を確立し、個々の腸内共生細菌が宿主の行動や生理機能に与える影響を直接的かつ網羅的に解明することを目的とする。研究期間2年目の本年度は、腸内細菌の組合せを変えたミツバチ (ノトバイオート個体) を用意し、その生理機能や行動を比較する予定であったが、新型コロナウィルスの国内感染拡大によって研究活動が制限され、十分なサンプリングが行えなかったことから、全31通りの組合せのノトバイオート個体をテストすることができなかった。しかしながら、腸内細菌叢の有無によって一部の宿主行動に違いが観察されたことから、今後の研究展開に大いに期待が持てる。また、研究時間に制限がある中で、ミツバチ飼育方法の見直しを行い、より安定的に多数の個体を飼育可能な実験環境を整えることができた。次年度以降のwith コロナの環境下でも効率的に研究を展開する下地を整えることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの感染拡大により、一年を通して研究活動が制限されたため。元々ミツバチはサンプリングできる期間が春から秋までに限られており、この期間に計画的にサンプリングできなかった影響は大きい。

今後の研究の推進方策

引き続き新型コロナウィルスの国内感染状況と研究機関の措置を考慮しつつ、可能な範囲で積極的に研究を続けていく。次年度は最終年度となるので、いくつかの宿主生理機能や行動については、トランスクリプトーム解析等でその分子メカニズムまで迫りたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの国内感染拡大により研究全体が停滞したため。翌年度は人件費も計上し、コロナ禍においても可能な限り研究活動を維持する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Frischella japonica sp. nov., an anaerobic member of the Orbales in the Gammaproteobacteria, isolated from the gut of the eastern honey bee, Apis cerana japonica Fabricius2021

    • 著者名/発表者名
      Wolter Laura A.、Suenami Shota、Miyazaki Ryo
    • 雑誌名

      International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology

      巻: 71 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1099/ijsem.0.004712

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ミツバチの味覚応答に対する腸内細菌叢の影響の解析2021

    • 著者名/発表者名
      末次翔太、宮崎亮
    • 学会等名
      第65回日本応用動物昆虫学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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