In vitro条件で初代培養したマガキの細胞および組織に、マガキの重要病原体であるカキヘルペスウイルス(OsHV-I)を加え、ウイルスを人為的に増やす技術の開発を目指した。血球を加えた実験区内では、対照区と比べて有意なウイルス量の増加は見られなかった。そこで、初代培養した鰓、心臓、外套膜の組織片にOsHV-I液を加えて増殖を試みたところ、鰓組織片内におけるウイルス量は、培養上清中のウイルス量より増加する傾向が見られ、OsHV-1が鰓組織内の細胞に感染したと考えられた。組織片を用いることでOsHV-Iをin vitro条件で増殖させる可能性が新たに開かれ、今後は手法の改良が望まれる。
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