オートファジーは細胞質成分を無作為に分解する現象であると考えられていたが、最近の研究から、一部のタンパク質複合体やオルガネラが、選択的に分解されていることが明らかになった。オートファジーは様々なストレスに応答して誘導される現象であり、そのストレスに耐性をもたらす因子を分解することは非合理的である。このため、こうした因子は、オートファジーによる分解を免れている可能性がある。本研究では、こうした因子の同定を試みたが、タンパク質ごとに分解程度に差があることは見いだせたものの、分解が強く抑制されている因子は同定できなかった。本研究が布石となり、今後解明が進んでいくことが期待される。
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