従来、sgRNAの発現にはPol IIIプロモーターが用いられ、転写調節因子dCas9とは別々に発現される。この場合、これらの発現系はそれぞれ転写機構が異なるため、人工的に転写調節を同時に行うことは困難である。一方、今回提案する発現系では、miRNA発現系を巧みに利用してPol IIプロモーターによりsgRNAを効率的に発現できる。以上により、本発現系を構成する全ての因子を一括して発現制御することを可能とし、自己プロモーターの恒常的な転写活性化を実現できる。本発現系を用いた遺伝子治療が完成すれば、恒久的な治療効果が期待され、ベクター使用量及びベクター由来免疫応答を最小限に抑えることができる。
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