研究課題
我々はヒストン修飾因子であるUtxのコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを作製し、ERT2マウスと掛け合わせtamoxifenで欠失誘導を行い造血組織を中心に解析を行った。その結果、血球形態異常、髄外造血による脾臓腫大、造血幹細胞移植での骨髄再構築能低下という、造血幹細胞老化に特徴的な所見を認めた。この申請では、このUtx欠失による老化が各種組織幹細胞で普遍的に認められるかについて、様々な組織特異的Creマウスと掛け合わせ、その組織が老化の表現型を呈するかどうかについて検討を行なう。これまで、Utx cKOマウスを皮膚特異的にCreを発現するK5Creマウス、脳特異的にCreを発現するSox1Creマウス、血管内皮特異的にCreを発現するTie2Creマウス、骨特異的にCreを発現するDmp1Creマウスと掛け合わせた。現在まで、皮膚特異的、脳特異的、骨特異的にUtxを欠損したマウスが得られ、解析を行なっている。明らかな表現型が認められ、これまで最も解析が進んでいるのは、脳特異的Utx欠失マウスである(【現在までの進捗状況】参照)。また、Utxの発現増加が表現型の回復に寄与するかについても併せて検討する目的で、ノックインの手法により誘導可能にUtxを高発現するUtx cKIマウスの作製を行なった。このマウスについて、目的組織でのUtxの高発現を確認し、上記マウスとの掛け合わせを予定している。また、UTXはX染色体上に存在し、Y染色体上にその相補体であるUTYが存在する。女性と男性での老化感受性の違いについて検討する目的で、Utyのノックアウトマウスの作製も行い、Utx cKOとの表現型の相違について解析を行う。、Utyノックアウトマウスはすでに得られており、造血細胞を用いたウェスタンブロットによりUTY蛋白質の欠失が確認されている。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Bone
巻: 154 ページ: 116210~116210
10.1016/j.bone.2021.116210
Pharmacology and Therapeutics
巻: 230 ページ: 107965~107965
10.1016/j.pharmthera.2021.107965
Pediatric Surgery International
巻: 38 ページ: 743~747
10.1007/s00383-022-05103-4
Metabolism
巻: 118 ページ: 154730~154730
10.1016/j.metabol.2021.154730
Journal of Radiation Research
巻: 62 ページ: i53~i63
10.1093/jrr/rraa127
Cells
巻: 10 ページ: 1230~1230
10.3390/cells10051230
The Journal of Immunology
巻: 207 ページ: 2223~2234
10.4049/jimmunol.2001160
https://www.twmu.ac.jp/ILA/