研究課題
挑戦的研究(萌芽)
特発性肺線維症(IPF)は肺胞の線維芽細胞が筋繊維化することでガス交換の効率を下げる疾患である。in vitro でIPFを再現できる実験系が求められていた。我々は、肺胞細胞の3次元培養法を改良し、IPFで起こる損傷―再生―線維化誘導のプロセスをin vitroで再現できる実験系の開発を試みた。上皮細胞の薬剤性障害からTgfb1等の繊維化誘導因子の発現、培養上精を使った肺線維芽細胞の筋繊維化に成功した。
発生遺伝学
IPFは加齢に伴って増加する疾患であり、超高齢化社会を迎える日本において今後より患者数が増加していと予想される。肺の繊維化は上皮の損傷-再生の慢性化に起因すると考えられ、そのプロセスは肺胞上皮細胞の障害に始まる。本研究で開発しているin vitroの肺線維症モデルが完成すれば、これまで行えなかった発症プロセスの検証や、将来的に予防薬の新規ターゲットの探索や化合物スクリーニングへの応用も考えられる。