研究課題/領域番号 |
19K22647
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 准教授 (00423765)
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研究分担者 |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
三澤 計治 関西医科大学, 医学部, 講師 (10525885)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 術後悪心嘔吐 / スンクス / 次世代DNAシークエンサー |
研究成果の概要 |
術後悪心嘔吐(PONV)は手術後に生じる不快な合併症の1つである.だが麻酔科医はその発症を完全に予防できていない.本研究の目的は遺伝学的に吐きにくい因子を持つCongenic系スンクスを戻し交配によって新たに創出し,従来の吐きやすいスンクスとゲノム配列を比較することで,吐きにくさと関連がある遺伝子群を探索し,PONV予防薬の創薬に繋げることである.30か月かけて10世代の戻し交配を行い4匹のCongenic系スンクスを獲得した.現在,われわれは下腹部手術後の嘔吐行動を評価した後,全ゲノムシークエンスを行い,多型解析を推進中である.
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自由記述の分野 |
麻酔科学・疼痛医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PONVは術後の合併症の中でも30-80%の高い頻度で起こる不快な合併症の1つである.PONVの臨床的危険因子は疫学研究ですでに明らかになっており,周術期管理に影響を与えている.しかしPONVを完全に予防することは困難で,患者の医療に対する満足度を下げてしまうことも多い.本研究では行動解析の結果から,嘔吐耐性に関与する遺伝的因子がBackground系統に導入されていると推測できた.この知見は近い将来,国際誌に原著論文として発表予定である.今後は候補遺伝子やタンパクを同定し,機能解析を経て,次の創薬のプロジェクトを企画・立案する予定である.
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