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2019 年度 実施状況報告書

膵癌オルガノイドを用いたpartialEMTによるクラスター浸潤機序の解明と制御

研究課題

研究課題/領域番号 19K22663
研究機関九州大学

研究代表者

中村 雅史  九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)

研究分担者 寅田 信博  九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (00398075)
岩本 千佳  九州大学, 大学病院, 特任助教 (10752842)
藤田 逸人  九州大学, 医学研究院, 助教 (40611281)
森山 大樹  九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
三好 圭  九州大学, 大学病院, 助教 (70755272)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード膵癌 / オルガノイド / collective invasion / partial EMT / 膵星細胞 / エピジェネティック
研究実績の概要

本研究はヒト膵癌オルガノイドを用いた共培養モデルを作成し、partial EMTによるクラスター浸潤機序の解明および制御を目的とする。当該年度は、ヒト膵癌組織を積極的に採取し、同一組織から膵癌オルガノイドおよび膵星細胞の樹立を行った。結果として、8症例の膵癌オルガノイドおよび膵星細胞を樹立できた。これら膵癌オルガノイドおよび膵星細胞を基底膜マトリックスおよび非接着性 U底wellを用いて遠心後に培養を行うといった独自の方法で3次元共培養モデルを作製した。それらをパラフィン固定後にH&E染色し形態学的評価を行った。さらにVimentin,αSMA, CK19を免疫組織学的染色で評価したところ、実際の膵癌組織の形態学的特徴を保持していることがわかった。さらに浸潤形態を観察するために、膵癌オルガノイドに蛍光タンパクであるGFPを、膵星細胞にRFPをtransfectionし、3次元共培養モデルをタイムラプスイメージングによってリアルタイムに観察した。すると、膵癌細胞同士が接着したまま浸潤するクラスター浸潤する様が観察・記録された。しかし、浸潤部位が本体から分離し、新たにオルガノイドを形成する様子は観察されなかった。もし、浸潤部位が本体から分離し、その後オルガノイドを形成すれば、EMT→METといった形態変化を再現できると考えられる。今後は、EMT⇒METを再現し、それらを蛍光免疫染色を用いてE-cadherin、Vimentin等を染色しその変化を検証する予定である。EMT⇒METを証明できれば、それら細胞集団はpartial EMTをきたしていると考えられ、それらを分取しエピジェネティック調節の変化を検討していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度に予定していた膵癌オルガノイドおよび膵星細胞の樹立と、それらを用いた微小環境再現モデルは作成できた。また、それらをタイムラプスイメージングを用いて浸潤形態を観察し、collective invasionを再現できた。

今後の研究の推進方策

今後は、EMT⇒METを再現し、それらを蛍光免疫染色を用いてE-cadherin、Vimentin等を染色しその変化を検証する予定である。EMT⇒METを証明できれば、それら細胞集団はpartial EMTをきたしていると考えられ、それらを分取しエピジェネティック調節の変化を検討していきたい。

次年度使用額が生じた理由

研究はおおむね順調に進展しており、資金を有効に使用できたため。
次年度は研究用試薬、器材などの消耗品、受託解析費などを予定している。

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公開日: 2021-01-27  

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