研究課題
挑戦的研究(萌芽)
2-エチル-1-ヘキサノール(2EH)は、長期的に比較的高濃度で室内空気中に検出される事例が日本中で報告されている物質であり、シックビル症候群(SBS)の原因物質の1つである。SBSでは、鼻、喉、目などの症状に加え、皮膚症状を訴える症例が数%報告されている。2EH反復曝露により皮膚症状が生じるか、2EH慢性吸入曝露マウスの皮膚を評価した。2EH曝露開始22週目からマウス臀部から背中にかけて紅斑、脱毛と皮膚硬化、表皮の肥厚を有する個体が増加したが、真皮の変化とは一致しなかった。
衛生学
建築資材等から放出される揮発性有機化合物によるシックビル(シックハウス)症候群(SBS)は未だ重要な健康課題である。中でも2-エチル-1-ヘキサノール(2EH)は、長期的に比較的高濃度で室内空気中に検出される事例が日本中で多数報告されている物質である。研究が十分とは言えないため、室内の2EH濃度については室内濃度指針値が定まっていない。本研究は指針値作成の一助となると考える。