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2020 年度 研究成果報告書

神経シナプス接着分子の異常を基盤とした育児放棄・虐待の分子機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 19K22777
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関京都薬科大学 (2020)
和歌山県立医科大学 (2019)

研究代表者

関根 勇一  京都薬科大学, 薬学部, 講師 (20396295)

研究分担者 久岡 朋子  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00398463)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード育児放棄 / シナプス接着分子 / 養育行動
研究成果の概要

育児放棄の神経機構の解明のため、ヒトにおける育児放棄の原因を反映したモデルマウスの確立を目的として、Lrrn4遺伝子欠損雌マウスの養育行動解析を行った。その結果、仔運び行動の低下、及び新規環境における探索行動の亢進を示し、感覚機能には異常を認めなかった。これらの結果から、これまでの「仔の認識が障害された」育児放棄モデルマウスとは異なり、「仔への関心が低下した」育児放棄モデルマウスであることが示唆された。脳における組織学的解析と神経細胞におけるLrrn4結合分子の探索結果より、海馬神経回路におけるLrrn4のシグナル伝達が、正常な養育行動の維持に関連している可能性が考えられた。

自由記述の分野

社会医学、神経組織学、行動生理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

シナプス接着分子であるLrrn4は海馬神経回路に高発現し、その遺伝子欠損が母マウスの仔に対する注意力を低下させ、養育行動低下を惹起している可能性が示唆された。今後、本研究をさらに発展させ、海馬神経回路におけるLrrn4のシグナル伝達異常が養育行動異常を惹き起こす分子メカニズムを解明していく。本研究により、ヒトでなぜ不適切な養育行動をするのかという親側の要因に関して最も重要と考えられる「意識を仔に向けるか否かの選択」の神経基盤に、シナプス接着分子の異常が関連していることが明らかとなり、神経基盤に基づいたヒトの育児放棄の予防や治療法の開発へつながる可能性が期待できる。

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公開日: 2022-01-27  

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