本研究では、DDS技術により駆虫候補成分を消化管内に感染したアニサキスの虫体内に送り込み、駆虫効果の最適化を図る戦略を掲げている。研究期間前半には、アニサキス駆虫候補成分の探索を行い、いくつかの食品添加物成分に駆虫効果を見出した。また、研究期間後半には、駆虫効果を見出した食品添加物成分を虫体内に送達しうるDDS製剤の設計・調製を行い、アニサキスを胃に感染させたラットに経口投与したところ、投与後わずか1時間で虫体を100%殺滅し、製剤投与による消化管障害も認められなかった。以上、本研究では、消化管に感染したアニサキスを駆虫する目的で食品添加物成分のDDS製剤を創製し、その有効性を明らかにした。
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