研究課題/領域番号 |
19K22817
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
福地 守 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (40432108)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
キーワード | BDNF / 肥満モデルマウス / 皮下脂肪 / 内臓脂肪 / マクロファージ |
研究成果の概要 |
BDNFは、記憶学習などの高次脳機能発現に必須の分子である。一方で研究代表者は、BDNFが脂肪組織にも発現しており、体重増加に伴って脂肪組織におけるBDNF発現も増加することを偶然発見した。そこで本研究では、高脂肪食給餌肥満モデルマウスを用いて、脂肪組織に高発現するBDNFに着目して解析を行った。その結果、BDNFは、高脂肪食給餌後、早い段階から皮下脂肪および内臓脂肪において発現が増加し、この発現増加にはマクロファージが関わる可能性を新たに発見した。各種遺伝子発現変化とBDNF発現誘導を照らし合わせた結果、皮下脂肪ではBDNFは善玉的に、内臓脂肪では逆に悪玉的に作用する可能性が予想された。
|
自由記述の分野 |
分子神経科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BDNFは、高次脳機能発現に根幹的に重要な分子であり、うつ病やアルツハイマー病などの脳神経系の疾患のバイオマーカー、さらには創薬ターゲットとなることが期待されている。しかし本研究は、BDNFが末梢の組織である脂肪組織に発現しており、肥満の病態形成に関与する可能性に着目した萌芽的なものである。さらに、本研究の結果により、BDNFが皮下脂肪と内臓脂肪で異なる役割を果たす可能性が予想された。これは、肥満の病態形成や進行の分子機構の理解、さらには病的な肥満状態の改善法の開発研究において、新たな知見をもたらすことが期待される。
|