「注意」と「動作」との関係を分析し,「観測された動作」から「注意」を推定するための逆問題を解くための指針を得ることを目的として研究を進めた.「注意を払う動作」が最も顕著に現れるのが首周りであるため,「首周りの動作」を重点的に分析し,筋シナジー解析によって,頭部回旋運動中の筋活性が注意状態によらず一定の3成分により表現できること,また,注意状態による違いが筋シナジーの時間パターンに顕著に現れることが明らかになった.同様に,注意状態の違いが複数筋間の時間周波数的な関係としても観測できることがわかった.さらに,筋活動の分析に用いる筋シナジーが比較的安定に現れることも検証した.
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