下水等は含有する有機物の濃度が低く、メタン発酵技術を用いてエネルギー回収ができない。本研究では、海水と下水の浸透圧差を駆動力として正浸透膜を使って下水中の有機物を濃縮する技術の開発を目指した。本来正浸透膜は無動力で運転されるが、一定の加圧を行うことで流量の向上とメタン発酵を阻害する無機塩の除去性の改善が同時に達成された。1価の無機イオンと比較すると2価イオンは除去されにくい傾向にあったが、1価イオンのみの除去性を上げるだけでもメタン発酵阻害を抑制可能であることがわかった。海水側から次亜塩素酸ナトリウムを透過させ、ファウラントと膜の接着面で作用させることで、効率的な洗浄ができる可能性が示された。
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