研究課題/領域番号 |
19K22963
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中井 隆介 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (10576234)
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研究分担者 |
東 高志 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40378899)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | MRI / スペクトル / 脳 |
研究実績の概要 |
初年度においては、京都大学 こころの未来研究センター 連携MRI研究施設所有の独国シーメンス社製 磁気共鳴断層撮影装置(MRI装置) MAGNETOM Verio (3.0T) に磁気共鳴スペクトル取得用の撮像シーケンスプログラムが導入されていないため、磁気共鳴スペクトロスコピーシーケンスを購入し導入、さらに同時に米国ミネソタ大学 医学部 MR研究センター(CMRR)および独国シーメンス社と契約し、CMRR Spectroscopy Packageを導入し調整した。次にMRI装置を用いて、導入した撮像シーケンスプログラムおよび各種濃度で調整したN-アセチルアスパラギン酸(ヒトの脳内に比較的高い濃度で存在するアミノ酸)水溶液のファントム試料を用いて、各種撮像パラメータを変化させながら時系列磁気共鳴スペクトルデータを取得した。取得した磁気共鳴スペクトルデータについては、特別なデータ分析が必要になるため、独自に分析ソフトウェアを開発する必要がある。この分析ソフトウェアについて、専用フォーマットのスペクトルデータの読み込み、ピークシフト、データポイントの補間、ハニングフィルタやガウシアンフィルタ等の各種フィルタの適用、ベースライン補正等の機能を実装するための開発を実施し、多くの機能を実装した。今後は、さらに研究を進めるために、時系列分析等の機能の実装が必要となる。他に、通常の脳機能計測データとの比較・分析のため、脳機能計測を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、MR SpectroscopyシーケンスプログラムをMRI装置に導入し、ファントム試料を用いてデータを取得し、分析のためのソフトウェアを開発中であり、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、新型コロナウイルス対応のために、本実験で使用しているMRI施設におけるMRI実験は全て停止されている。まずこれまで取得したデータからソフトウェア開発を進め、その後にMRI実験を再開する。また新型コロナウイルス対応のため長期間に渡り学生被験者を用いることができない恐れもあり、ファントム実験や内部被験者の代用を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度購入したMRスペクトロスコピーシーケンスが高額であり、昨年度購入予定であったfMRI実験用ノートPCが購入できなかった。よって、これを昨年度からの繰り越し資金と次年度の助成金を合わせて購入する。
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