京都大学 人と社会の未来研究院 連携MRI研究施設に設置されている磁気共鳴断層撮影装置(MRI装置)MAGNETOM Verio(3.0T)と、そこに導入した磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)シーケンス、および、ミネソタ大学 医学部 MR研究センター(CMRR)のCMRR Spectroscopy Packageを使用して、昨年度にMRSデータ取得のための調整した撮像プログラム(撮像パラメータ)を用いて、実験協力者の計測を行った。まず、この計測において取得したデータを用いて、ヒトに適応し、信号が精度よく取得できるように、さらなるパラメータ調整を行った。また、同様に取得したデータを用いて、昨年度から開発を行っているMRSデータ処理ソフトウェアの中の時系列処理や補正処理等を、ヒトのデータに合わせ高精度化できるように改良を行った。最後に実験協力者を用いた本格的な撮像実験を実施し、視覚刺激呈示を行う課題を用いて、ヒトの脳活動データを計測可能かどうかの分析を行った。上記の改良したシーケンスプログラムを用いてデータ取得を行い、開発したMRSデータ処理ソフトウェアを用いて解析を行った。また対象条件として、通常の脳機能計測法で使用されるGE-EPI法を用いて同様のデータを取得し、SPMを用いて解析等を行い比較を行った。結果として、本手法を用いることで、通常のGE-EPI法での時間解像度よりも、時間解像度を高くできる可能性が示された。
|