肝代謝酵素、例えばALDH2の多型によって、多くの日本人はアルコールに弱いという体質を持つ。肝臓移植を行うほどではないこのような「体質」は生まれつきのものとして受け入れるしかなかった。本研究では体質に悩まなくてもよくなる社会を目指して、「肝機能を付与した赤血球を血液中に輸血する」という手法を提案・検証することを目的とした。当初は赤芽球の段階で野生型ALDH2を発現させることを計画したが、途中で赤血球ゴーストにALDH2タンパク質を封入するアプローチへと変更した。赤血球ゴーストにタンパク質を封入する条件については検討が完了し、機能的なALDH2を作製するところまで研究が進んだ。
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