| 研究課題/領域番号 |
19K22998
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
崔 境眞 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (30785415)
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| 研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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| キーワード | ツァンナクパ / カダム派 / チベット仏教 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、チベット仏教カダム派のツァンナクパ・ツンドゥーセンゲ(12世紀)の思想研究に向けた基礎的研究資料の構築である。カダム派は11世紀から14世紀まで主に中央チベット・サンプ僧院において活動し、チベットにおける仏教思想研究の中心にあった仏教宗派である。ツァンナクパは、カダム派の学問的系譜において中心人物の一人として知られているが、彼に関する具体的な研究成果は不十分である。本研究では、『カダム全集』所収のツァンナクパによる文献計9点を研究対象とし、そのテクストデータおよび詳細な書誌情報を作成し、論文としてまとめる。本研究の成果は、カダム派の思想史におけるツァンナクパの位置づけ、およびツァンナクパ以降のチベット仏教思想の展開を検討する際に必要な基礎資料となることを目指している。 2021年度には、広島大学根本裕史教授と定期的に研究会を開催し、ツァンナクパのテクスト全9点の導入部と奥書などの翻字および和文翻訳を完了した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度内に『カダム全集』所収のツァンナクパによる文献計9点に対するテクストデータ入力の完了を目指したが、人員不足のため現在停止状態である。また、年度末に書誌情報の整理とその英訳のために対面での集中研究会を計画していたが、感染症予防のため中止となった。現在、短時間の研究会を定期的に開催し、作業を進めている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2022年度には、ツァンナクパの著作の書誌情報（英文）を作成する。そのために米ストクトン大学のJongbok Yi教授、広島大学の根本裕史教授との共同研究会を定期的にオンラインで行う。すでにTshad ma rnam nges kyi 'grel baに関する書誌情報作成は完了しているので残り８点に対して作業を行う。
また、当初はこれら書誌情報を和文で論文にまとめ発表する計画であったが、英文で作成しオーストリアのPasclae Hugon博士らの研究プロジェクト（A GATEWAY TO EARLY TIBETAN SCHOLASTICISM）のウェブサイトにて公開することに計画を変更する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
２０２１年度末までに渡米しストクトン大学のJongbok Yi教授らと集中研究会を行う計画であったが、感染症予防のため出張が中止となった。また、テクストデータ入力を依頼していた学生が健康上の理由で仕事を辞めたが、その後任者が見つからなかったため人件費の支出が発生しなかった。
２０２２年度には研究成果公開に向けて英文校閲費、日本チベット学会および諸研究会への出張費の支出を計画している。
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