研究課題/領域番号 |
19K23023
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤川 真由 明治大学, 大学院, 特任講師 (20848866)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 天正遣欧使節 / 慶長遣欧使節 / 情報の伝達と受容 / ヨーロッパにおける日本人の描かれ方 |
研究実績の概要 |
本研究計画は、①天正遣欧使節と慶長遣欧使節がヨーロッパにおいてどのように受け容れられ、そして絵画に描かれたのかを分析すること、②両使節の関連性(前者が後者に及ぼした影響も含む)を検討すること、③また、ヨーロッパにおける両使節に纏わる情報の伝達、及び彼らを描いた版画の領布を調査することを目的とする。
2021年度は、これら3点に関して、すでに着手した研究を見直しながら発展させ、書き進めてきた文章の完成度を高めることに努めた。その際浮上した疑問点を整理し、さらに調査するために文献を取り寄せ、再考し、書き直すという作業を繰り返した。海外渡航が困難なため、限られた資料で研究を推進しなければならなかったが、今後、コロナウイルス感染症の状況に応じて渡欧の可能性を模索したい。研究結果は主に英文で執筆したが、2022年度は日本語でも著述する予定である。
その他、両使節に言及した新史料を、近々「日本のセミナリオ、天正遣欧使節、慶長遣欧使節に関するヴァチカン図書館所蔵新史料」『キリシタン文化研究会会報』159号(2022年刊行)にて出版する。本出版は、コロナウイルスが蔓延する以前の調査で発見した史料を翻刻し、解釈を書き添えたものである。これらの史料は、教皇庁にとって天正遣欧使節と慶長遣欧使節の来訪がどのような意義があったのか、後者は前者からどのような影響を受けたのかなど、本研究計画①と②を考察する上で参考となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍における新生活に慣れたため、落ち着いて執筆できた。
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今後の研究の推進方策 |
天正遣欧使節に関する情報の伝達に関して、未だ精読していない史料に取り掛かりたい。また、今後、国内外のシンポジウムで研究結果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症により渡欧できず、資料の収集が困難であった。引き続き、ILLによる論文の取り寄せ、書籍と画像の購入等に助成金を使用する。
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