研究課題/領域番号 |
19K23023
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤川 真由 明治大学, 大学院, 特任講師 (20848866)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 天正遣欧使節の着物 / 来賓の歓迎ルート / 食の異文化交流 / 慶長遣欧使節とフィレンツェ / 天正遣欧使節 / 慶長遣欧使節 / 情報の伝達と受容 / ヨーロッパにおける日本人の描かれ方 / 版画 / イタリア美術史 / ルネサンス服飾史 / 教皇庁の儀典 / 異文化交渉 / 情報の生産と伝播 / 天正少年使節 |
研究開始時の研究の概要 |
天正少年使節(1582-1590年)は、日本人として初めて訪欧した使節である。それから約30年後、慶長遣欧使節(1613-1620年)がヨーロッパを訪れた。本研究の目的は、天正少年使節と慶長遣欧使節の関連性、そして両使節がヨーロッパの絵画においてどのように描かれたのかを包括的に分析することである。特に両使節を描いた版画は彼らの来訪を伝える一種のニュースとして制作されたと推察し、その領布と受容を探る。
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研究実績の概要 |
ヨーロッパにおいて天正遣欧使節と慶長遣欧使節がどのように歓迎されたか、両使節の関連、さらに彼らを描く版画の制作、彼らに関する情報の伝達に焦点を当てて書き進めた。日本にいながら執筆に集中することができた。
また、ブルーノ・ケスラー財団イタリア・ドイツ歴史学研究所から招待を受け、そのオンライン・シンポジウムにて、天正遣欧使節の着物について発表した。彼らはどのような着物をヨーロッパに持ち込んだかを分析し、使節を企画したイエズス会は、同地において着物をどのように外交上利用したのか考察した。さらに、ケスラー財団の依頼を受け、使節はヨーロッパの人々とどのように交流し、また現地の人々は自分たちの街をアピールするため、使節にどのような場所を見せたかにつき論文を執筆した。この拙論(2023年7月出版予定)では、歓迎の一環として使節に振舞われた食べ物に関する異文化交流についても検討した。
そのほか、イタリア各地で発見した天正遣欧使節と慶長遣欧使節に関する文献について出版をした。これらの文献はコロナ前に調査したものであり、今回、翻刻し、解釈を書き加えて紹介した。特に、慶長遣欧使節がフィレンツェにてあまり歓迎されなかったことを示唆する資料は貴重である。従来、フィレンツェにおける慶長遣欧使節の動向はあまり研究されておらず、天正遣欧使節と同様に歓迎されたと解釈されていた。しかしながら、申請者が以前発表した論文でも述べたように、実際は違ったようである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍における研究に慣れたため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年は本課題の最終年度であるため、調べた文献の内容を再度確認し、英語、また日本語による出版に注力したい。
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