本研究は,異質な家計が多数存在するマクロ経済のモデル,特に『異質的家計のニュー・ケインジアン・モデル』と呼ばれるものに関して,その研究のフロンティアに貢献するものである.理論分析と数値計算を用いたシミュレーション分析を通じて,労働市場の摩擦のもとで変化する失業・就業状態を通じて異質性が生じるケースにおける家計債務の役割や,異質な家計間での所得再分配効果,および時間非整合性の解決策などについて研究を行った.査読つき国際学術雑誌に掲載された論文1本,ワーキング・ペーパーとして公開された論文1本,そして未刊行ながら国際学会などで発表済みの論文1本が成果である.
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