金融リスク管理では、多数の資産価格変動で下落方向への従属性が高まる現象について、よく用いられる正規接合関数に代えて変量間の裾での従属性の強いt接合関数が用いられることがある。しかし、t接合関数では価格変動の上下方向の従属性を対称に捉えてしまう。本研究では、変量間の裾での強い従属性を捉えるとともに上下での非対称性も捉えられる非対称t接合関数などを取り上げた。それらの接合関数の性質と統計的推定方法について『統計数理』誌、極値での従属性について『日本統計学会誌』で公表した。また、3資産ポートフォリオの市場リスクへの応用について国内外の多数の研究集会で報告した。
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