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2022 年度 実施状況報告書

ヘテロジニアスな状態や経済主体を織り込んだ動学的一般均衡モデルの構築と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K23232
研究機関武蔵大学

研究代表者

蓮見 亮  武蔵大学, 経済学部, 教授 (90847526)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2024-03-31
キーワード動学的一般均衡モデル / 平均場ゲーム
研究実績の概要

マクロ経済の政策分析に用いられる動学的一般均衡モデルでは、計算可能性の担保のため、代表的家計・企業のような経済主体に関する強い仮定をおき、その異質性とそれによる生じる保有資産といった状態変数の分布を考慮しないことが多い。これに対し、近年、連続時間の平均場ゲームの枠組みでモデルを構築することにより、比較的容易かつ効率的に分布を考慮した均衡の計算ができることが知られるようになった。本研究は、この枠組みを利用してより現実に即したモデルを構築し、政策分析等を行うことを目的としている。

今年度は、過年度執筆したディスカッションペーパー“Comparing the earned income tax credit and universal basic income in a heterogeneous agent model.”を日本経済学会で報告し、有識者からコメントを得た。現在は、現在は学術誌への掲載に向けて、改訂を行なっている。さらに、上記のモデルをベースとした、労働市場におけるサーチ・マッチングを考慮したモデルを構築し、分配政策がマクロ経済全体と個人の格差にどのような影響を与えるかを分析している。具体的には、最低賃金の引上げがマクロ経済へどのような影響を与えるかをテーマとし、最低賃金を引上げるシミュレーション分析を行う。そして、最低賃金を引き上げることによって失業率はどの程度上昇するか、意欲喪失失業者はどれくらい発生するか、社会厚生はどうなるか、最適な最低賃金はいくらかなどの政策的課題に関する含意を得る。今後、成果をとりまとめて論文として公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヘテロジニアス・エージェントモデルをベースとした動学的一般的均衡モデルを構築し、従来の代表的家計という仮定の下では分析できなかった政策分析を行うという本研究の目的は、ディスカッションペーパー“Comparing the earned income tax credit and universal basic income in a heterogeneous agent model.”の執筆・公表により一定の水準で達成した。さらに、上記のモデルをベースとして、労働市場におけるサーチ・マッチング理論を織り込んだモデルを構築し、数値計算によるシミュレーションを行っている。現在はその成果を取りまとめ、有識者からコメントを得るため研究会等で発表する準備をしている段階である。

今後の研究の推進方策

ディスカッションペーパー“Comparing the earned income tax credit and universal basic income in a heterogeneous agent model.”は、現在は学術誌への掲載に向けて、改訂を行なっている。この論文のモデルをベースとする、労働市場におけるサーチ・マッチング理論を織り込み最低賃金の引上げを分析できる理論モデルについてはほぼ完成している。今後は、現実を説明するようパラメータをキャリブレーションした上で、最低賃金を変更するシミュレーション分析を行う。その結果から政策的課題に関する含意を得て、成果を論文として取りまとめる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の流行に伴い国内外出張が困難な状態が継続したため、次年度使用額が生じた。今後、主として、成果公表のため、論文校閲料、投稿料および学会出張旅費等に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Comparing the earned income tax credit and universal basic income in a heterogeneous agent model2022

    • 著者名/発表者名
      高野 哲彰, 蓮見 亮
    • 学会等名
      日本経済学会2022年度春季大会

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公開日: 2023-12-25  

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