研究課題/領域番号 |
19K23245
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
横井 桃子 愛知大学, 経営学部, 准教授 (30845954)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 移民 / 宗教 / ジェンダー / 宗教コミュニティ |
研究実績の概要 |
2021年度も前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、やむを得ずフィールドワークやインタビュー調査を延期・中止し、研究期間を延長することとなった。そのため研究課題に関連した先行研究の整理、および、実施予定のフィールドワーク先についての資料調査等をおこなった。 先行研究の整理では、前年度に引き続き、国内外の移民の宗教コミュニティの事例研究や、移民とジェンダーに関する文献を読み、論点の整理をおこなった。 移民にとっての宗教は、社会的および精神的サポートを供給するコミュニティとしての役割を果たす。しかし、移民女性がそこにどのようにかかわり得るのかを検討した研究は多くない。さらに、感染症という未曽有の危機的状況は、移民の生活の脆弱性を露呈する可能性もある。移民女性という立場がその脆弱性とどのように関連するのかも検討していくこととした。 また、ホスト社会である日本の宗教について調査データを分析した。コロナ禍における日本人の宗教行動の変容の規定要因を探るため、調査データを用いて分析をおこなった。その結果、コロナ禍の宗教行動(参拝頻度)は、社会的属性を統制した上で、権威主義的態度や社会志向性に影響されて変容していることが分かった。 日本人の宗教行動・宗教意識を把握することは、移民の宗教性との比較をおこなう上で有用である。ホスト社会・日本の状況を踏まえた上で、移民女性をめぐる宗教を解明することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、フィールドワークや聞き取りなどの現地調査を断念せざるを得なかった。一部は文献・資料調査へと切り替えをおこなったが、本研究の目的を達成するにはやや及ばないと言わざるを得ない。そのため、上記の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、できる限りの対策を講じた上で、フィールドワークをおこなう予定である。国内移動も制限されることを考慮に入れ、オンライン通話ツールなども積極的に導入し、聞き取り調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、学術大会が中止またはオンライン開催となり、またフィールドワークやインタビュー調査の日程を改めることになるなどして、旅費・人件費が不要となったため。 次年度以降、学術大会等が再開され、また移動制限が緩和され次第、順次使用していく予定である。
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