本研究の目的は,一般の人々が持つトラウマに関するしろうと理論を明らかにし,一般の人々と支援者におけるトラウマへの対処の有効性についての信念・認識の比較を行い,予防的心理教育開発に向けた要因の解明を行うことであった。 本研究の結果,一般の人々はトラウマ体験者に対して,どうにかしたいとは思うものの具体的な関わり方はわからず,体験の話題を避ける傾向が明らかとなった。さらに支援職を対象とした調査から,トラウマの影響の不変性に関する記述がみられた。よって,一般の人々と支援職は専門性の違いはあるものの,適切な支援をつなぐためにはトラウマに関する認識について広く心理教育を行っていく必要がある。
|