超高齢化社会において、加齢に伴う認知機能低下は社会的問題のみならず個人のQOLを左右する。大脳基底核の線条体アセチルコリン性介在ニューロンは、線条体内唯一のアセチルコリン修飾源であり、加齢に伴いニューロン数の減少が見られる。この減少は、認知機能の低下にかかわることが指摘されている。しかし、加齢によるアセチルコリン性介在ニューロンの生理学的特性・神経ネットワークの変化は、認知機能低下の生理心理学的メカニズムを知る上で重要であるが、不明な点が多い。本研究は、脳スライス標本を用いた電気生理実験から、線条体アセチルコリン性介在ニューロンの発火特性生後発達および加齢において変化することを明らかにした。
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