研究成果の概要 |
指数和の評価において基礎理論として必要となる数論における統計的結果のいくつかについて, 先行結果の改善・拡張を行った: 1. 素数2つの積の分布について. Decker-Moree, Justus, Landauによる3つの先行結果をすべて連続的に含むような漸近公式を得た. 2. 無理数論における篩法の応用について. Chowla-ErdosによるLambert級数の無理性を示す技法を拡張し, Lucas数列の逆数和に適用可能にした. 3. 滑らかな数の分布について. Hildebrand-Tenenbaumによる滑らかな数の一様評価のさらなる漸近展開を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
指数和の評価に必要な, 素数の積の分布, 篩法, 滑らかな数といった主題に関する結果を, 先行結果に比べて, 制限が少なく, 適用範囲が広く, 得られる情報の多い形に改善することができたため, 指数和の評価法のより柔軟な基礎理論を提供できたと言える. 本研究には, これら新しい基礎理論により今後の指数和の評価法の発展や応用に寄与することが期待できるという学術的意義がある.
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