牛コロナウイルスを含むベータコロナウイルス-1種に属するウイルス群(β1CoVs)の自然感染動態を明らかにする目的で、様々な動物の糞便サンプル(牛、犬、猫、鶏)からβ1CoVs遺伝子の検出を試みた。その結果、犬由来サンプル約100、猫由来サンプル約100、鶏由来サンプル約50、牛由来サンプル約200からは、β1CoVsのN遺伝子は検出されなかった。一方で、牛の下痢便由来のサンプルからは、冬季にウイルス遺伝子の検出がみられた。また、検出されたウイルス遺伝子は牛コロナウイルスのものであった。以上より、犬、猫、鶏、および牛の正常便を介したβ1CoVsの感染拡大は引き起こされにくいことが示唆された。
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