研究課題
研究活動スタート支援
片側尿管結紮(UUO)モデル作成後1週間後において、血小板の5-HT放出能異常を持ち、血中5-HT濃度が減少するFawn-Hoodedラット(FHラット)では、野生型ラットであるWistarラットと比較して、炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子-α(TNF-α)のmRNA発現が有意に減少していたが、線維化の指標であるコラーゲンなどに差は認められなかった。このことから、血小板由来の5-HTは急速に進行する腎線維化には影響しなかったが、炎症の調節には関与している可能性が示唆された。
獣医学
本研究では、生理活性物質であるセロトニンが腎臓における炎症に関与していることが示唆された。炎症は腎臓の線維化にも関与しており、慢性的に線維化が進行する慢性腎臓病の病態に関与する可能性がある。この成果はいまだ治療法のない腎臓の線維化および慢性腎臓病に対する治療薬の開発の基盤となる可能性がある。今後は緩徐に進行する腎線維化モデルを用いてさらに研究を継続していく。