研究課題
研究活動スタート支援
データマイニング手法の一つである決定木分析を用いて、医療者が簡便に「個々の患者の副作用発現リスク」を評価可能なモデル構築を目指した。対象は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の治療薬であるバンコマイシンによる腎機能障害とした。北海道内4施設を協力医療機関とする多施設共同研究の遂行により、より一般化可能なバンコマイシンによる腎機能障害リスクの推定モデルの構築に成功した。また、構築したモデルの精度は良好であった。
医療薬学
本研究で構築したリスク推定モデルの活用により、医療者はバンコマイシンの投与開始前に、個々の患者に応じた腎機能障害発現リスクを簡便かつ定量的に推定可能となる。すなわち、本モデルは「ハイリスク患者に対して他剤への変更や頻回な副作用モニタリングを実施する」などの医療者の意思決定を支援するツールとなり得る。。決定木分析を用いたアプローチは他の薬剤や副作用に広く応用可能である。そのため、本研究で見出された知見は、より安全な薬物療法の提供のためのツール開発に活用可能である。