本研究では脳腸相関の概念を基軸とし、うつ様症状を併発した潰瘍性大腸炎モデル動物を確立することで、潰瘍性大腸炎に起因したうつ病発症のメカニズムを解明することを目的とする。結果として、デキストラン硫酸ナトリウム処置マウスがうつ病を併発した潰瘍性大腸炎モデル動物として妥当性を満たしていることが示唆された。また、潰瘍性大腸炎に併発するうつ病の発症には腸由来の炎症性サイトカインの影響が大きく、腸内環境の改善が潰瘍性大腸炎に併発したうつ病の治療において重要であることが示された。これらの結果から炎症性腸疾患併発性うつ病に対する脳腸相関を基軸とした新規治療法の開発が期待される。
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