嚥下は、脳幹に存在する嚥下の中枢パターン神経機構が嚥下運動をコントロールしているとされるが、呼吸や循環による体動や中枢と部位的に重なることから実験操作が難しく嚥下の神経回路の実態は不明であった。そこで本研究では、大脳皮質を取り除いたラットに心臓移植時に行われる体外循環法を適用した呼吸・循環中枢の影響を受けない嚥下の動物実験モデルを用い、嚥下の神経回路の詳細な走行と神経機構、および呼吸の抑制メカニズムを明らかにする。また、嚥下時の神経活動に関与すると言われるドーパミンやサブスタンスP等の神経伝達物質との関連性を明らかにし嚥下障害の新たな治療法の発見等の一助になると期待できる。
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