発生初期からABCC9/KCNJ8の発現に伴いK-ATPチャネルが機能し、その阻害は細胞内Ca2+上昇へと変換される一方、定常時にはK-ATPチャネルの一過的な活性化ではCa2+変化をほとんど引き起こさないことが分かった。構築した実験モデルを利用し、ペリサイト内Ca2+変動と心疾患の連関を解析することで、Kcnj8遺伝子変異性心疾患の分子基盤を紐解く基盤を形成出来た。一方、発生初期のマウス心臓ではKcnj8は心外膜細胞にも発現することを見出し、当初予想していた周皮細胞異常が心疾患を惹起するという仮説以外の新たな機序の可能性を得た。
|