直腸癌化学放射線治療抵抗性における上皮間葉移行(EMT)及び癌幹細胞の関与を明らかにするとともに,メトホルミンによるEMT阻害効果を確認するために以下の検討を行った.まず,臨床検体を用いた検討では,直腸癌術前化学放射線治療症例において,病理学的完全奏功が得られなかった症例のうち,CD44高発現症例は有意に無再発生存率が低い傾向にあった.大腸癌細胞株LoVo, DLD-1を用いた検討で,スフェロイド培養モデルを樹立し,コントロールと比較してCD44/CD133陽性細胞比率が増加していることを確認した.細胞傷害実験で抗癌剤へのメトホルミン添加によって細胞傷害作用の増強効果を確認した.
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